オオトゲオカヤドカリ



大型種オオトゲオカヤドカリ。(北マリアナ、2007.5月)

オオトゲオカヤドカリ

海域汽下汽上淡水陸上

近年、小笠原産の標本より見出され(※1、日本での生息が確認されたオカヤドカリ属7番目となった種です。
今のところ、国内での正式な確認はこの1例のみで偶来種だと思われますが、西太平洋域の島嶼部に広く分布しているようなので、小笠原諸島以南では今後も見つかる可能性はあると思われます。
ここに掲載した個体は、小笠原諸島からさらに南、北マリアナ諸島のものですが、北マリアナ諸島でも分布の北限に近く、あまり数は多くありません。
このオオトゲオカヤドカリ、オカヤドカリ属ではかなり大きくなるようでそのトゲトゲで赤黒い風貌とあいまって、ナキオカヤドカリなどの小型種とはだいぶ異なりむしろヤシガニに近いような印象を受けました。
というのも、体が大きいだけでなく脚も早く、その長い脚でスタスタとあっという間に消え去ってしまいます。
ただ、コワモテな体躯に似合わず、ヤシガニのように攻撃的ではなく逃げ専門のようです。
また、このオカヤドカリは腹部がやっと隠れるようなかなり小さい巻貝を背負っている事が多く、大きいから入れるサイズの貝殻がないのかな?
と思っていたのですが、前甲長が10mmに満たない個体でも、やっぱり小さな巻貝を使っているのでどうやら好みの問題のようです。
恐らくはその素早さと自前の頑丈さがあれば、腹部さえ守れれば殻に篭る必要性が薄いので、むしろ軽くて小さな貝殻を使用した方が有利なのかもしれません。
左鋏脚も他種と比べると体格の割には小さく、形状も細長い形をしています。 これは、他のオカヤドカリ類のように左鋏脚で巻貝の開口部にフタをするという事を最初から想定していないからなのかもしれません。
この種の宿への執着心の低さは逃げる時にも現れていて、殻を掴んだところスポッと脱いで何と宿を捨てて逃げ出すという荒技を繰り出した個体すらいました。



ココヤシは好物のようだ。
(北マリアナ、2007.5月)


隠れるというよりは丸まる。
(北マリアナ、2007.5月)


若齢個体も小さい宿が多い。
(北マリアナ、2007.5月)


アフリカマイマイを使う個体。
(北マリアナ、2007.5月)



<参考文献>
(※1: 朝倉彰,2004.ヤドカリ類の分類学、最近の話題. 海洋と生物, 26(1):83-89




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